導入事例
中京テレビ放送株式会社様

導入前の課題
- 視聴率だけでは語れない多様化する番組指標への対応
- ローカルのExcelでデータ分析が実施される属人性への問題
これまでテレビ局では放送した番組の指標として、視聴率を使っていました。しかし、近年では中部エリアのテレビ局が共同で運営する「Locipo」や、多くの民間放送が利用する「TVer」といったインターネット上でのテレビ番組配信サービスが登場し、YoutubeやX(旧Twitter)、Instagramといったソーシャルメディアの利用も増えてきました。ひとつのコンテンツが、テレビ放送以外にも、様々なプラットフォームを介して視聴者が見ている状況です。ところが、そのコンテンツの視聴データは、プラットフォームごとにバラバラなため、横串を通してみることができませんでした。
以前は、それぞれのプラットフォームのダッシュボードからデータをダウンロードして、Excelを使って手動でデータ分析を行っていました。データをダウンロードして、整形して、Excelに流し込んで、集計するという作業をすべて手作業で行っていたので、手間も時間も掛かり、月次で運用するのが精一杯でした。もちろん、現在でもテレビ放送がもっとも視聴者が多いのですが、それ以外のサービスを通して見ている視聴者が増えてきています。今後は、そうした視聴データを、もっと活用していく必要がありますが、これまではそのための準備ができてませんでした。
いわゆるBIツールもいくつか試してみたのですが、分析のところだけでなく、複数のソースからデータを集めてこなければいけないので、そこを自動化できないと効率化できません。そこで、最終的には局を挙げてのデータ活用のためのインフラ整備という形で、ほぼすべての部署の人間が関わる大きなプロジェクトになりました。
弊社で行なった支援
このプロジェクトにおいて、Serverless Operationsは以下の支援を行いました。
AWS上でのデータ分析基盤の設計・構築支援
AWSの各種サービスを活用し、データの収集、処理、蓄積、分析、可視化までの一連のプロセスを構築するための最適なAWSサービスの選定や全体構成の提案を行いました。
モダンなアプリケーション開発手法の導入支援
GitHubを用いたソースコード管理や、サーバーレスアーキテクチャを採用して継続的な開発・運用を実現するための体制構築をサポートしました。
サンプルコードやベストプラクティスの提供
データの抽出やAPI連携、データクレンジング処理、データベースに格納する処理など、開発全般で必要になる具体的なサンプルコードや手順を提供し、内製の体制で開発が進めていけるようにスキルトランスファーを行いました。


導入後の効果
プラットフォームごとに分断されていた視聴データの統合
複数の動画配信サービスやSNSにまたがっていた視聴データを、統一フォーマットで収集・統合する仕組みを構築。全体像を横断的に把握できるようになりました。
属人的で非効率だったExcelベースの分析作業を自動化
従来はExcelを使った手作業での分析が主流だったが、データ収集・整形・可視化までをAWS上で自動化。分析にかかる時間と手間を大幅に削減しました。
リアルタイム性のない月次レポート体制からの脱却
これまでは月に1度の集計が限界だったが、リアルタイムまたは日次単位でのデータ取得・可視化が可能になり、迅速な意思決定に貢献しました。
データ活用の内製化体制を構築
GitHubによる開発管理や、サンプルコード提供などを通じて、社内メンバーが自走できる環境を整備。今後の改善や拡張にも柔軟に対応可能になりました。
全社的なデータ利活用への基盤づくり
単一部署に依存せず、複数部署が連携してデータを活用できるインフラを整備。全社的なデータドリブン文化の醸成に繋がりました。