Serverless Operations, inc

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AWSにおいてサーバレスを活用したモダナイゼーションが企業にもたらす価値とは

モダナイゼーションとは

現代のビジネス環境は急速に変化しており、企業や組織が競争力を維持し、顧客のニーズに迅速に応えるためには、柔軟で適応性のあるシステムと組織が必要です。モダナイゼーションとは企業や組織が社会の変化にあわせて素早く価値提供をし続けるために組織やシステムを常に新しくしていくことを指します。単純にシステムがレガシー化してきたから最新の技術に刷新するという話ではなく、常に変化に対応し続けるために柔軟なシステムやテクノロジーを選定して、それを組織として運用していける人材をリスキングし、素早く価値提供を行う仕組みと体制を構築することに重点が置かれます。

当然ながらモダナイゼーションにより素早いサービスの価値提供が可能なれば、競争相手よりも迅速に市場の変化に対応し、競争優位を維持することができるでしょう。また、迅速に顧客の要望に応え続けることができるため、顧客満足度の向上やリピーターの確保にも繋がります。

モダナイゼーションの基盤となるもの

モダナイゼーションを行うための組織構造

モダナイゼーションを行うためには単純に技術のエキスパートだけを集めて最新の技術を導入すればいいというわけではありません。特に組織間において複数の承認フローがあったり、組織の文化としてあまり変化を受け入れたがらないといったことや、新しい技術に対するノウハウがないと行ったこともモダナイゼーションを阻害する要因となりえます。

待ちの多い組織構造
待ちの多い組織構造

そのためには組織の待ちを減らし、トライアンドエラーを許容できる組織構造にすることが望ましいです。AWSにおいてもTwo Pizza Teamという組織構造を採用してアジリティを最大化させています。小さく自律的に動ける人の数として5 - 10人でチームを組み、各々のメンバーが要件定義・設計・開発・テスト・運用までサービスの全責任を担いながら動きます。

日本企業においてもに戸田建設様のようにDX推進室を組織して、モダナイゼーションを前提とした内製の組織を作り上げた例もあります。特に今までと違う新しいことに挑戦するためには試行錯誤が必要となります。試行錯誤の段階から従来の日本企業にある外注頼みの体制では、多くの待ちが発生しますし、そのコストは膨大になります。戸田建設様のように自分たちのビジネスドメインである建築に合わせてデジタルもわかる人間で内製のチームを構築し、自律的に現場の課題を解決していくといった組織の構造は日本におけるモダナイゼーションのための良いモデルケースになるのでは無いでしょうか。

自立した組織構造
自立した組織構造

モダナイゼーションにおけるサーバレスの活用

サーバレスとはAWS Lambdaに代表されるようなサーバーの存在を意識しなくても良いAWSサービスを活用してアプリケーションを構築していく手法になります。AWS Lambda以外にもキューのサービスであるAmazon SQS, ストレージのサービスであるAmazon S3, NoSQLデータベースのサービスであるAmazon DynamoDB, データ可視化のためのプラットフォームであるAmazon QuickSightなどのサービスがサーバレスなAWSサービスとして挙げられます。通常はサーバーがあれば実施しないといけないような以下の作業から解放されます。

  • ネットワーク設計
  • OS保守やセキュリティパッチの適用
  • トラフィックに応じたサーバーのサイジング
  • 障害時における可用性設計・テスト
  • 規模拡張テスト

結果として以下のようなメリットを企業や組織にもたらすことが出来ます。

設計工数の削減

ネットワークを中心としたインフラの設計や構築は不要になります。アプリケーションコードを書いてデプロイツールでAWS環境にデプロイすればすぐに動くアプリケーションを実装することが可能になります。結果としてこれがトライアンドエラーを繰り返すPoCやアジャイルな開発手法の生産性を上げて、最終的に市場に製品を投入するまでの時間を短縮することが可能になります。

価値のある作業に生産性をシフトできる

インフラの管理や保守に割いていた人員をよりビジネスにおいて付加価値の高い、アプリケーション開発や保守に生産性の重心を置くことが出来ます。つまり、人員コストをよりビジネスの付加価値を高める作業に投資することが出来ます。

生産性のシフト

費用の懸念からの解放

待機サーバー費用のない「使った分だけ」の支払いとなります。システムのアイドル時間については課金がされません。場合によっては固定費が0円のシステムも構築が可能となります。多くの場合でクラウドコストは安くなり、コスト面でも非常に柔軟にシステム運用を行うことが出来ます。

まとめ

サーバレス活用によるメリットはモダナイゼーション、つまりは「攻めのIT」領域で特に大きな効果を発揮できます。開発者やエンジニアの視点としては、作業量やその生産性は向上します。結果として変化への対応力や運用省電力化、品質の向上に繋がります。更に責任者や企業視点では製品の市場投入までの時間を短縮します。結果としてそれがサービス競争力の向上に繋がりますし、セキュリティやバグがもたらすビジネス上の損失も最小限にすることが可能になります。

モダナイゼーションの実現は企業や組織がスピート感を持って製品の開発を行い、フィードバックを得ながら製品を顧客の要望に答えていくために非常に効果のある方法です。実際に多くの日本企業ではDX推進室のような組織が結成され、モダナイゼーションが進んでいる現場は増加傾向にあります。このような現状の中で是非、サーバレスの活用によるモダナイゼーションを検討されては如何でしょうか。

Written by
CEO

堀家 隆宏

Takahiro Horike

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